住生活月間講演会Seminor

令和2年度住生活月間講演会

令和2年10月26日(月)のWEBシンポジウムで、東京都立大学教授の饗庭 伸 氏と建築家であり日本版CABE推進者の連 健夫 氏を講師にお迎えし、「withコロナ社会における 建築 と まちづくり を考える」をテーマにご講演いただきました。

饗庭 伸 氏からは、土地利用、土地所有、住宅政策、景観、災害、分権と住民参加、規制緩和のそれぞれの機能とCOVID-19による撹乱と変化の予想について、お話がありました。このうち、住宅政策では、1955年に確立した「住宅政策の3本柱」が、2006年に「市場とセーフティネット」へ変化し、住宅は住宅市場とわずかなセーフティネットで供給されている機能について触れ、COVID-19による撹乱と変化の予想として、住宅を失う人が増え、セーフティネットに負荷がかかる、セーフティネットの民営化(所得に応じた家賃補助)がなし崩し的に進む、空き家の再評価が進むなどと御提示されました。

連 健夫 氏からは、コロナ禍で三密を避けるべく公共空間である歩道を店舗の一部として使う社会実験である浜松市の「まちなかオープンテラス」について、お話がありました。大切なことは、行政と市民という二者の関係ではなく、第三者の専門家の関与であることを御提示され、双方の立場を理解した上で、良いものにすべくアイデアをブレンドするファシリテーションが有効で、まちづくりの実際では、専門性を持った建築家は馴染みやすいなどと言及されました。

74人が参加し、参加者からは、まちづくりの可能性に再認識させられた、パネリストの人選が良かった、建築的な話だけでなく現代の人の価値観にまで踏み込んだお話しが面白かった、オンラインの方が資料がよく見える利点がある、などの意見がありました。